この場合

 料理の評論を考えると、少しわかりやすくなるかもしれません。料理を説明する時、「材料」や「調味料」、わかる人なら「調理法」などを挙げるかと思います。それと同じで、音楽にも「材料となる要素」、「隠れた要素」、「展開法」などを挙げて説明することが可能なのです。
 もし何もわからない場合、またわからなくても良いと思う人は、単純にその食べ物を「食す」だけで、音楽も同じように「耳に入れる」だけとなってしまうでしょう。無論、「飯はうまく食えればそれでいい」という価値観を持っている人もいるので*1、音楽でも「耳障りじゃないものが聴ければ良い」という価値観を持つ人もいるでしょう。
 そういえば下の質問でもありましたが、どうやって知識を身につけるか?という問いに対して、音楽を聴きまくるのと、理論書や音楽論などを読み漁ると述べておきます。これは別に真理ではなく、自分の経験の基に述べただけなので、もしかしたら効率の良い方法とかあるかもしれません。身に着ける速さを考えると、知っている人に教えてもらうのも手ですね。あとは、聴いた音楽に対して書かれた文章などを探して読んでみるのもよいでしょう。他人が音楽をどのように言葉で表現しているのか、その人が感じたことはどういうものなのかを知る機会にもなります。
 それから、ちょっとだけ補足すると、音楽を語るときに主観をあえて入れる時には、音楽以外の知識が必要になってきます。言語そのものの語彙ももちろん、思想的なもの、自然科学の知識、挙げるときりが無いのですが、いろいろなものが利用できるかと思います。この例としてはライナーノーツなどを読んだりするとわかるかもしれません。
 ちなみに作り手としての経験上、ただ「よかった」と言う感想はもちろん大変嬉しいことなのですが、いろんな表現で述べた感想、及び聴き手が自分なりに分析した内容を言っていただけるとさらに嬉しいと思います。
 もしかしたら、聴き手のスキルアップの第一歩として、「よかった」以外の感想も書けるように心がけると良いかもしれません。

*1:実は、私がそうだったりします。不味くなくお腹を満たしてくれれば満足してしまうのです。