ちょっと考えてみる

[命題]
 ピアノの魅力を最大限に引き出すという目的関数に対して超絶技巧が最適解であるとはいえない。
[証明]
 最適解が「超絶技巧なもので一意に決定する」と仮定する。これに反する例が1つでも挙げられれば、仮定が矛盾し、命題が真であることが言える。
 バッハの無伴奏バイオリン・パルティーホ長調」の「ガボット」をラフマニノフが編曲した作品。ネットで上がっている譜例を挙げますが、ここの譜例3がそうです。見ればわかりますが、この曲を演奏するにあたって「超絶技巧」な技術は必要としません。ピアノ演奏でいえば坂本龍一の曲ぐらいしか弾けない私でさえ、練習すればなんとかなるかな?と思うレベルなのです。しかし、ここで「じゃあこの編曲はまったくダメなの?」って聞かれると、自分はNOと答えると思います。この編曲はピアノ特有の歯切れの良い音を上手く駆使していると考えます。ヴァイオリンでは歯切れの良い音を出すのは難しいので*1、自分はこの編曲に関して「ピアノの魅力を最大限引き出している」のではないかと思います。
 したがって、超絶技巧ではない例が挙げられたので、矛盾が生じ、命題が証明されます。 Q.E.D.

 まぁ、かなり無理のある証明なのですが、今回挙げた編曲を「さらにゴチャゴチャさせてみよう」と頭の中で考えたのですが、最初の数小節で、あまりにもゴチャゴチャさせすぎて吐き気を感じました*2
 まぁ、何事もやりすぎにはほどほどにという事で。また、やらなさすぎというのも問題なのですけどね。サジ加減は常に注意したいなぁと思いました。

*1:あくまでピアノと比べての話ですが…。

*2:あまりにも着飾りすぎて、思わず「食べるものが無いのなら、ケーキを食べればいいじゃない」と真似したくなるほど