ピアニスト、グレン・グールド

 最近、よくグールドの弾くバッハを聴いています。グールドはコンサートを嫌っていて、もっぱらスタジオ録音に情熱をかけた人でもあります。理由として、グールドはピアノを弾く時「自分のため」に弾いているからと言われています。グールド自身「音楽によって現世から意識を離す」と言っていたような気がします。要するに、もう自分に酔いまくるわけですね。しかし、彼の独特の音楽的解釈は何故か聴く人を惹きつけてしまいます。自己満足でもここまで来ると、「天才が成せる業」なんだろうなぁと思います。
 「自分のため」で思い出したのですが、前回のショパンコンクールで第1位を獲得した若手ピアニスト、ユンディ・リは記者会見で「私は聴衆のために弾きます。それが私にとっての幸せであるから」と言っていました。多分「お客が望む曲を弾く」という意味ではなくて、「聴衆に伝えよう」という意識の表れではないのでしょうか。これもグールドと同じように「天才が成せる業」なのかなぁと思ってみたり…。
 というわけで、今日のBGMはバッハのイギリス組曲(グールド演)でした。(まる)