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 最近の一連の話から、KeNjiさんの意見を拝見しました。概要を述べると「音楽を聴いただけで感想を書くのは難しい」とのこと。そうなんですよね。確かに「伝えたいことは音楽に全て乗っけたからわざわざ語る必要なし」という雰囲気は前々から感じていたのですが、あれって日本独自の文化でしたか…。
 そんなわけで、自分も感想を書くときになるべく作品の解説等を参考にさせてもらっているのですが、それが何も無いと「聞いた感じ」でしかかけなくなるわけで…*1
 そしてさらに「その曲をきっかけとして一つのコミュニケーションの機会になればいいんじゃないかなぁーと思ってます。」と言うのも納得です。そのためにも、作り手側がある程度そのきっかけを与えると言う意味で「自分と作品との関係、ないしは自分自身のこと」について語る必要性は出てきそうですね。結構ファンの人ってそういう裏話は興味あったりしますし(ぉ)
 これを踏まえて、自分は「音楽に限らず芸術家は思想家でなければならない」と考えてみたりします。少なからず何かしらの「意味」を込めて作っているハズですから。「無意味と言う目的」のために作る方もいますが、それはそれである種の思想があるので問題ないでしょう。ただ、人に解説を求められて「語れない」のはマズイかなぁと思いますね。まぁ、普通はその作品を作った目的ないしは理由があるはずなので、語れないはずはないのですが…*2
 あと、コミュニケーションで思い出しましたが、聴き手としては先に「先入観なし」で聴いて、そのあと作者の解説を見て聴くという2重の楽しみ方もできるのではないかと思います。作り手側としては、聴き手に先入観なしで聴いてもらって、その感想をもらうことにより自分と聴き手との解釈の差を楽しむのも面白いと思います。

*1:なるべく「作者が何をしたかったのか」を読み取りたいと思ってレビューを書いていたりします。無論、聴いた感じの率直の感想も混ざっていますが(汗)。

*2:逆にイギリスの音楽家エドワード・エルガーが作った「エニグマ変奏曲」のように、謎をいくつか入れ込んだ為に、自分から語らなかった例もありますね。