paraphrase #1

 現役女子大生(音大)によるピアノアレンジCD。しかもピアノ科とくれば、それなりの期待があるではないですか!
 しかもボーナストラックにフランツ・リストの名曲「ラ・カンパネラ」が収録されているとなれば、ピアノスキーとしては聴かずには居られないでしょう。
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 やっちまった…(´д`;)
 て、1〜3曲目までは「ピアノアレンジ」なんですが、まずこれがいたって普通。癒し系。無機質。マッタク同じ繰り返しでひねりも無く終わる。ベクトルは違えど素晴らしいできです。感動のあまり涙が出てきそうです。私は今はじめて「ヤオイ系アレンジ」というものを耳にしました。
 4曲目に問題の「ラ・カンパネラ」が入っています。生録音なので多少のミスはご愛嬌、ってことで…。
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 前奏のミスぐらい直してくれ…(つд`;
 前奏の音を均等に弾けないって、これ本当に音大生か?*1 これ試聴が無いのが痛い。この痛さを文章では伝えられない! とても残念です…。このミスタッチの程度から「録音しなおし」って思いつかなかったのでしょうか…。ここは演奏者である桜千鳥さんだけの責任ではないわけですが、プロデューサの判断なのか、意思の疎通が取れなかったのか、想像するしかないのですが…。時間がなかったのでしょうかねぇ…。あと、このテンポで弾く限り、ラ・カンパネラは「難曲」というレベルから外れます。おそらくショパンの幻想即興曲より簡単になるかと…*2。おそらくキーボードのブラインドタッチができるぐらいの器用さをもっていれば、必死に練習してモノにできるレベルの曲でもあるかと思います。ここまで荒が露呈されてしまうと、さすがに限度ってものがあります…。これが許されるのなら、世の中同人音楽CDだらけになりますよ…。
 ただ、一つだけこのCDのメリットがあります。ピアノアレンジをこれからやろうとしている人、ピアノ演奏の録音でCDを作ろうとしている人。お奨めです!
 これを聴いて大いに自信を持ってください。ちなみに、タイトルにある「paraphrase」とは「パラフレーズ」と読み、原曲からインスピレーションして新たな曲を作る曲形式で、原曲の原型から離れていなければなりません。原曲に忠実になると、「トランスクリプション」になってしまいます。
 怒られ覚悟であえて言いたい。これを聴いて「イイ」と思える人は、単純にピアノ音色愛好家か「ピアノが鳴っていれば何でも許せる」部類の人ではないかと思います。私は、これを聴いて突っ込まずにいられない人こそピアノを愛しているんだと思えてなりません…*3

*1:もう一度、彼女が「現役音大ピアノ科の学生」であることを思い出してください。

*2:念のために言っておきますが、両方とも練習した上での難易度評価です…。

*3:ピアノ厨と言われても仕方ない発言ですが、どうしても言いたいのです…。