お気に入りの

 自分の趣味が音楽鑑賞てのもあって、プロアマ問わずにいろんな音楽を聴いています。クラシックも聴きますが、ダンス系、テクノ系などなど、系統的に「楽器を使った」ものが好みです。なんていうか、「音で勝負している」って感じがするので。歌も「詩」という別ベクトルが作用して、大変効果的なのですが、最近の邦楽は「見た目」で勝負している人が多く、「聴く」ことに着目している私としては物足りない感じがします。
 そんな中、インスト系の作品でお気に入りのものを挙げてみようかと思います。最初に挙げるのは、http://webclub.kcom.ne.jp/mc/akt/ のAktさんの作品。HPには1曲しかないのですが、このピアノ曲がイイです。タイトルは「阿頼耶識(アラヤシキ)」というそうです。録音環境のせいでノイズが乗っているそうですが、個人的にはかえってこの「ノイズ」がノスタルジックな雰囲気を出している気がします。本人の解説に、「3拍子と4拍子の繋ぎを違和感なく聞かせる、という試みが見事に失敗した」と書かれていますが、個人的には「4拍子から3拍子に戻る部分」がすごく自然に移ったように感じました。
 少し考察してみますと、安定要素から不安定要素に移るときと、不安定要素から安定要素に移るときで前者の方が難しいと考えています。後者はある意味「安定方向に収束させる」という意味でもやりやすいかと思います。さて、この曲は全体的に3拍子なので、3拍子が「安定要素」と言えます。したがって、4拍子を途中でもってくることは「不安定要素」を持ち込むこととなります。だから、「違和感なく移る」というのはすごく難しいと思います。逆に再び3拍子に戻る時は、イメージ的に「元に戻る」という捉え方ができますので、スムーズに戻せることが多いのです。もともと聴いていた雰囲気に戻すわけですから、聞き手も「戻ってきたな」と思うのです。
 こんな感じで、繰り返し聴いているわけですが、3拍子スキーとしてお気に入りの作品なのであります。繰り返し聴いていると、3拍子>4拍子の流れもこれで良いんじゃないかと思うのですが、作った本人が想定していた音響とは違うのかなぁ…。
 今後もちょくちょく挙げてみようかと思います。インストでもピアノなどの単一楽器曲が好きなので、その辺に偏りそうですが、なるべく色々挙げたいと思います。